私たちが最後に会ったのはいつだったでしょうか? おそらく2015年だったと思います。
京子さんは「あの時は半袖を着ていたから夏だったと思う。」と言いました。彼女は書斎に行き、2015年の日記を探し出しました。9月2日の日記には、「陳さんが来福」と書かれていました。
「その日の午後4時、ホテルで会って地下鉄で櫛田神社へふるさと館見学。その後、バスで天神へ行き、海鮮居酒屋で食事をしながら陳さんと日本語でおしゃべり。何と20年ぶりだった。」ということが記録されました。
それは私たちが三回目に会った日でした。
なんと、三回目と二回目の再会の間には、二十年もの歳月が流れていたのです。
そして、今回私が福岡を訪れたのは四回目の再会でした。また、十年ぶりです。
なんと不思議なご縁でしょう。
何とも不思議なご縁です。
このご縁の始まりは長崎でした。大学最後の年、初めての海外旅行の目的地は日本の九州です。その年の夏休みに、長崎のユースホステルの近くにある地元の食堂で、店のお客さんの一人の日本人女性と出会いました。その方はとても親切で挨拶してくれて、それから、ご主人の相田さんを紹介してくれました。相田さんは英語が堪能で、紳士のような方です。そして、相田さんが私たちを長崎観光に案内してくれました。それはとても素晴らしい旅の思い出でした。その時から、相田家の兄弟と縁が繋がっていると思っています。相田さんは京子さんの兄です。初めての日本旅行でいろんな人からお世話になったこで、日本に対して特別な親しみを感じるようになりました。
それ以来、私は相田さんと毎年年末に必ずお互いに年賀状を送ります。その間、彼とその友人が台北を2回訪れ、私も長崎を2回訪れました。
前、長崎で相田さんに訪ねったとき、相田さんは私に「もし私がこの世を去ったら、末の妹があなたに知らせます」と言いました。その妹さんは京子さんです。そして、2023年の年末、京子さんから相田さんが亡くなったという知らせを受け取りました。
相田さんと知り合った一年後、相田さんの一番目の妹さんの長女の祐子さんが、台北の師範大学の語学センターで中国語を学ぶために留学してきました。私たちは語学交換のパートナーとなり、彼女が私に日本語を、私は彼女に中国語を教えました。しかし、当時の私はまだ日本語を流暢に話せず、彼女の中国語はとても上手だったので、ほとんどの会話は中国語でした。
今回の福岡訪問中に祐子さんに電話をしたところ、彼女は私に「いつの間にそんなに日本語が上手になったの?」と驚かれました。多分、彼女はいつも私と中国語で話していたため、私の日本語が上達になったことに気づいていなかったのです。
祐子さんが台湾に留学していた1年間の間に、京子夫婦と義母が台湾を訪れ、一緒に食事をしました。その日は私たちの初対面でした。
2回目の再会は、私が千葉県佐倉市にある彼らの家に泊まったときでした。おそらく金曜の夜、忠さんは東京で仕事を終え、東京駅で私を迎えてくれ、一緒に電車で帰りました。月曜の出勤時には、再び東京まで一緒に電車に乗りました。
その時、祐子さんと彼女のお母さんも京子さんの佐倉の家に来て、一緒に中華料理のレストランで食事したことが覚えています。一番、印象に残っているのは、千葉の「国立歴史民俗博物館」へ行ったことです。広大な敷地に多くの展示があり、とても興味深い場所でした。
2024年の初め、京子さんは「今年こそ台北に遊びに行きたい」と言いました。
夏に、夫婦で急にスペイン巡礼の旅に出ることを決めました。旅の途中、巡礼中の台湾人と出会い、彼らとの写真を送ってくれました。
9月に、再び訪台の予定を確認したところ、「円安の影響でスペイン旅行にお金を使いすぎたので、今年は台湾に行けない」と教えてくれました。その代わりに、福岡で会おうと誘われました。
また、忠さんが西日本新聞に投稿したスペイン巡礼について記事も送られてきました。
記事の中に、「今しかない」という言葉がありました。
「そう、今しかない」と私の心の中で思いました。来年どうなるかわからないので、時間を調整して、12月中旬に5日間の福岡へいくことを決めました。
福岡国際空港で10年ぶりに再会しました。時間の流れで、お互い年を取ったですが、それでも再会できたことの喜びは言葉で言いえないほどです。また、温かいもてなしを受けました。
私が飛行機のチケットを予約したと伝えた時から、彼らは私の訪問を楽しみにしてくれていました。そして、私の希望を確認した上で、旅行プランを立ててくれました。
私は短い滞在だったので、福岡市内を中心に観光しようと考えていました。しかし、実際には市内観光だけでなく、柳川で舟に乗り、糸島の漁港で牡蠣を楽しむなど、充実な旅行になりました。
毎日話が尽きることなく、日本のこと、過去の思い出、共通の知人の話、さらには台湾の話まで、話題が絶えませんでした。
彼らは普段の予定を調整し、私のために休みを取って、全日程付き合ってくれました。
京子さんは公民館の茶道教室と着付け教室に通っています。両方ともお休みを取りました。特に、京子さんが公民館で茶道教室を休みを取ったとき、お茶の仲間は「台湾の友達も一緒に連れてきてください。」と言われました。京子さんの友人も彼女と同じように温かく迎えてくれる人達だと思っています。
滞在時間が短いので、また、一緒にやりたいことがたくさんあります。例えば、野球の試合を見に行ったり、お茶道のことと着物の着付け方を教えてくれたりすることです。また、案内してくれたい所がたくさんあるので、私にまた福岡へ行くことを誘われました。いつか、また行きたいですね。
五日間の福岡旅行
Day 1:
空港でお出迎え
空港で昼食
友人と小さな茶会
夕食は家で鍋料理
Day 2:
柳川で炬燵舟遊覧
天神でクリスマスマーケットと夕食
Day 3:
大濠公園、福岡市美術館、日本庭園、福岡城跡を散策
天神のひょうたんで寿司料理
Day 4:
糸島の牡蠣小屋で焼き牡蠣
Itoshimaccoカフェで友人とお茶
夕方に日帰り温泉(ひなたの森)
ひなたの森で夕食